雪山の服装(八ヶ岳編)
八ヶ岳や入笠山、霧ヶ峰などで雪山登山やスノーシューを楽しんでいただく服装の例をご紹介します。
八ヶ岳・周辺の雪山に向いた服装
オーバージャケット、オーバーズボンはお持ちであれば万全ですが、私がご案内する北八ヶ岳ではなくても大丈夫(レインウェアで代用)な場合もあります。
レイヤリング
レイヤリングとはウェアを重ね着することです。効果的な重ね着をすることにより、冬でも快適な山行を楽しむことができます。以下、レイヤリングの簡単な説明と例を示します。
上のレイヤリング
よくいわれるのが下の図にあるようなベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターレイヤーからなる三層の重ね着です。
以下、レイヤリング時のポイントです。
- 汗を外に出すことを考えるとよいかと思います。そのため水分をためやすい中間着や、アウターで水分を通さないものは避けるといいでしょう。
- ベースレイヤーと中間着はピタっとくっついている方が、暖かく、水分も外に出しやすくなります。
- 中間着やアウターは厚めのもので保温性を高めるのではなく、薄手のものを重ねた方が温度調節がしやすくなります。アウターに保温材の入ったものもありますが、行動中暑くなりすぎ、着てると暑いし脱ぐと寒くなってしまい扱いにくい感じがします。
- 動きやすいということが一番です。
- レイヤーが3層だからといって、必ず3枚だけ着るというわけではありません。私はベースレイヤーは2枚(finetrackフラッドラッシュアクティブスキン + 化繊 or ウールのアンダーウェア)の場合が多いです。
- 登る山の特徴に合わせて調節します。
登りが続くような場所では、かなり暑くなります。薄手の中間着で登り、下りはそれほど暑くならないので下る前に中にもう1枚着てみるなどしてもいいと思います。
比較的平坦な場所(霧ヶ峰など)でスノーシューを行う場合、激しい動きはないためそれほど暑くはなりません。その場合は最初から厚手の中間着を着てもよいかと思います。
- 雪山ではあまり長い休憩は取らないという前提でレイヤリングを考えてよいかと思います。つまり、休憩していて寒くなってきたので中に着ようというのではなく、寒くなる前に歩きだすというような行動パターンです。
下のレイヤリング
こちらは下のレイヤリングです。
冬用の裏地付きの保温性のあるパンツまたはオーバーズボン。天候にもよりますが、冬用のパンツでも撥水性のあるものは、少々雪が降る時でも濡れないため利用できます。
北八ヶ岳の日帰り山行ではオーバーズボン、入笠山や霧ヶ峰では冬用のパンツでもよいかと思います。ただし、雪の上にすわるような場合はオーバーズボンがいいです。
気温が低い場合は、オーバーズボンの下に中間着としてフリース素材のパンツなどをはきます。あまり厚手のものをはくと全体的にきつくなったり、膝が曲げにくくなるため注意してください。
冬でも1月から2月初旬頃と3月では気温も変わってきます。細かなところは八ヶ岳登山の服装も参照してください。
手袋
手袋は雪に触れたりして濡れやすいものです。ウールなどの手袋の上にオーバーグローブを重ねるのが使いやすいと思います。指先は特に冷えやすいところですし、八ヶ岳はかなり気温が低くなりますので、暖かいものをご用意ください。
実は手袋はいろいろな組み合わせが可能な分、服に比べると選び方が悩ましいと思っています。何度か雪の山を経験され、登る山や自分に合った手袋を見つけてみてください。
以下、いくつか組み合わせ例を挙げます。
・ウール手袋 + オーバーグローブ(5本指)
ウールは暖かく、5本指のオーバーグローブをつけるので操作性も悪くはありません。暑ければウールの手袋単独で使えます。ウール手袋は薄手+厚手と2つ重ねてもよいかと思います。
・ウール手袋 + オーバーグローブ(ミトンタイプ)
暖かさを重視するのであればいい組み合わせです。この場合も、ウール手袋は薄手+厚手と2つ重ねてもよいかと思います。
・インナー・アウター一体型
インナーとアウターがマジックテープなどでくっつけることができる手袋で、基本的にセットで使います。セットで使うよう設計されているため、操作性がよく、細かいことをするのに向いています。